私たちが普段使っている日本語。
物心ついたときから、共通の言語として意識せず使っています。
だからこそほんのささいなことで、文章の分かりやすさに差がでてしまいます。
こんな経験はありませんか?
ショックです。上司に文章が分かりにくいって言われてしまいました。
自分では、文章のどこを直せばいいかわからない……
この記事では、文章が分かりにくくなる原因を解説します。
そして、少し気をつけるだけで文章がグッと読みやすくなる方法を紹介しちゃいます!
すぐに始められることばかりですから、さっそく今日から取り組んでみてくださいね。
ライターさんもそれ以外の方も、この方法を実践して「読みやすい文章を書く人」になりましょう!
分かりにくい文章を書く人の特徴は?
あなたの文章が分かりにくいと言われてしまう原因は何でしょうか?
まずは原因を探っていきましょう。
「文章がわかりにくい」と言われてしまうのはこんな人です。
- 文章の見た目を意識しない人
- 文章の内容を意識しない人
一つずつ解説します。
文章の見た目を意識しない人
文章力は、残念ながら一朝一夕では上がりません。
しかし、見た目を工夫するだけで文章はかなり分かりやすくなります。
文章の見た目と分かりやすさって関係あるんでしょうか?
たとえば会社の資料に読めない漢字や熟語があったとき、どうしますか?
意味を理解するために調べますよね
そうか!意味を調べる手間がかかるんですね
はい、文章も同じです。スラスラと読めない文章は、内容も理解しづらいですよね。
分かりやすい文章とは、まず読みやすい文章であることが大切です!
見た目を意識しない人の文章が分かりにくいのは、3つの原因があります。
- 改行していない
- 漢字が多すぎる
- ひらがな/カタカナが続いている
NG例はこちら。
なんだかロボットもしくは外国の方が発言しているような印象になりますね……
OK例はこちら。
「カンタン」のカタカナが持つイメージはキャッチ―ですが、ここは「クッキング」とのバランスを取るために漢字にしました。
バランスを整えるだけでかなり読みやすくなりますよ!
漢字が多すぎる問題の解決法については、のちほど解説しています。
文章の内容を意識しない人
見た目を整えたら、次は内容にも気をつけてみましょう。
内容が分かりにくいと言われる主な原因を以下にまとめました。
- 主語・述語・修飾語が正しい位置にない
- 結論がない
- たとえ話や具体例がない
- 書いている本人がわかっていない
「主語・述語・修飾語の正しい位置」は難しそうですが、それ以外は私でもすぐに実践できそうです!
たしかに!私の文章がなぜ分かりにくいのか原因に心当たりがあります……
そうですね。原因がわかれば改善していけます!
最初に結論をズバっと提示していたり具体例があったりすると、文章を読んでいる人は内容をイメージして理解しやすいですよね。
特に気をつけたいのは「書いている本人がわかっていない」場合です。
以下の例文2つを比べてみましょう。
マットレスの商品紹介の文です。
この2つの文章を読んで、あなたはどう思いますか?
一つ目の文章は、web上で調べたデータを並べただけのものです。
筆者が現物を見ていない文章です。
二つ目の文章は、詳しいデータこそありませんが筆者が実際に商品に触れていることが伝わってきます。
どちらの文章が商品をイメージしやすいでしょう?
人に伝わる文章を書くためには、まず自分が「伝える内容」を理解することが大切です。
「主語・述語・修飾語が正しい位置にない」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
こちらの記事では、読みやすい文章の書き方の中でも文法に焦点を当てて解説しました。
【ブログ記事】読みやすい文章とは?書き方のコツは読者ファースト!&見た目が大事!
無料で使える!文章校正ツールおすすめ3選
見た目を整えて、文章の内容も意識したら、次は書いた文章をチェックしましょう。
誤字脱字・日本語の表記におかしなところがないか調べられる、便利なツールがあります。
文章のクセや漢字の勘違いは、なかなか自分では気がつかないものです。
何回も自分でチェックしたはずなのに、記事を公開したらまだ誤字があった……という経験があります
普段パソコンを使って文章を書かないという方も、これからご紹介するツールを使って一度自分の文章をチェックしてみませんか。
気付かなかった発見があるかも知れませんよ。
今回は無料で使えるものを3つご紹介しますね!
無料で使える文章校正ツール3選
- so-zou.jp
- shodo(無料版)
- Microsoft Word
使い方を詳しくお伝えします。
so-zou.jp
so-zou.jpの特徴は、会員登録不要&ウェブ上で校正ができることです。
ダウンロードする必要がないため手軽に使えます。
使い方はとってもシンプルです。
so-zou.jpでチェックできること(一例)
- 明らかな誤字、助詞の抜け漏れや間違い
- 常用漢字でない漢字
- ら抜き言葉
- 不適切な言葉や隠語
- 固有名詞や人名、外国の地名
手軽に使えるのに、かなりチェック項目があります。
不適切な言葉までチェックしてくれるのには驚きです!
shodo(無料版)
shodoの特徴は「AIによる校正」です。
月額1,000円の有料版と無料版があります。
無料版は機能に制限があるとはいえ、こちらのAIはかなり優秀です。
shodoでチェックできること(一例)
- 漢字の変換ミス
- タイプミス
- 不自然な日本語
- ら抜き言葉
- 助詞の連続
- 同音異義語
おすすめの使い方は、Googleアカウントでshodoのアカウント登録をすることです。
ブラウザー拡張機能が使えるようになり、最大500文字までならチェック可能です。
わざわざサイトにアクセスせずとも使えるのは便利ですね!
私は執筆しながら「この言葉どうだったっけ?」って思うことがあります。そんなときAIに校正してもらえたら効率的ですよね。
Microsoft Word
えっ!WordってあのWordですか?
はい。実は私たちがよく使っている「Microsoft Word」には、文章校正ツールが標準機能としてついているんです!
文字を入力した際に、赤や青の波線が表示されたことはありませんか?
その波線は校正ツールが働いている証です。
では、使い方をご説明しますね。
原則的に一行ずつのチェックとなり、修正候補が表示されます。
修正候補が間違いではなかった場合は「無効」を選択すると、ソフトウェアが学習しそれ以降指摘しなくなります。
Microsoft Wordでチェックできること
- 誤字脱字
- タイプミス
- 表現(言い回し)の間違い
- 表記ゆれ
Wordで文章を書いている方はぜひ使ってみてくださいね!
今回は、無料で使える文章校正ツールを3つご紹介しました。
ただし校正ツールは万能ではありません、必ずご自分でもチェックするようにしましょう
【ちょっと小話】
知っていますか? 校正、推敲、添削の違い
「校正」「推敲」「添削」という言葉をそれぞれご存知でしょうか。
どれも文章をより良くするという意味で使われますが、実は明確な違いがあります。
- 校正:誤字脱字や間違いがないかチェックすること
- 推敲:文章を書いた本人がより良くするため再考すること
- 添削:他人が書いた文章に手を加えること
ここがポイント
- 校正は「自分」または「他人」が行う行為
- 推敲は「自分」で行う行為
- 添削は「他人」が行う行為
しっかり意味を理解して、使い分けできるようになりましょう。
私が運営スタッフをしている「ライターサロンSNT」は、すべての記事を先輩のライターが添削しています。
女性限定オンラインサロンSNT(Site New Tourism)
伝わりやすい文章を書く解決法3選
文章校正ツールをご紹介しましたが、やはり最終的に文章は自分自身でチェックすることが大切です。
たとえ有料版の文章チェックツールを使ったとしても、前後の文脈など細かいニュアンスまでは把握しきれません。
この章では、自分自身の文章力がアップする方法を3つご紹介します。
文章力がアップする方法
- 本を読む
- ひらく漢字の法則を知っておく
- 他人のSNSなどをチェックする癖をつける
本を読む
時間はかかりますが、文章力を上げるには本を読むのがいちばんです。
難しい本を読むのが苦手だという方は、ご自分の好きな物語でもかまいません。
大切なのは、文字に触れることです。
修飾語の位置や、イメージが伝わる言い回しがわかるようになります。
絵本や詩集などの短い文でも勉強になりますよ♪
ライティング技術の本を読みたいという方には以下の記事がおすすめ。
私の所属するSNTの女性ライターも読んでいる本ばかりです。
こちらの記事ではオススメのライティング本をご紹介しています。
初心者webライターの手元にいつもこの強化書を|厳選ライティング本
ひらく漢字の法則を知っておく
漢字を「ひらく、とじる」という言葉を聞いたことはありますか?
私はwebライターになって初めて知りました……
文章を読みやすくするテクニックの1つです。
文章には読みやすいといわれている漢字と平仮名、カタカタのバランスがあります。
漢字:ひらがな:カタカナ = 3:6:1 (カタカナがない場合は3:7)
やさしい漢字であっても、あえてひらがなで書くことを「漢字をひらく」といいます。
その逆で、漢字を使う場合は「とじる」といいます。
漢字をひらくと文章はどうなるか
- 読みやすくなる
- 印象がやわらかくなる
- 正しい意味で伝わりやすくなる
漢字を「ひらく・とじる」には法則があります。
漢字のとじ・ひらきを意識できるようになると、分かりにくい文章がガラッと変わります!
ではどの漢字をひらけばよいでしょうか。
詳しく解説していきます。
とじる漢字2種類を覚えておこう!
まずは、とじる漢字を覚えておいてくださいね。
主語や動詞はひらいてはいけません。
その文章のメインとなる主語や動詞の漢字をひらいてしまうと、意味が伝わりづらくなります。
文章のメインとなる主語や動詞をひらいてしまうと・・・・・・
まるで早口言葉のようですね。
「弟」をひらがなにしてしまうと、どれが主語なのかわかりにくいです。それに「はひふへほ」の「は」と読んでしまいそうになります。
そうですね。文節の区切りがわかりにくくなります。
ひらく漢字はこれ!言葉の種類を知ろう
原則的にひらく漢字は、以下の5種類です。
- 副詞
- 接続詞
- 形式名詞・補助動詞
- 副助詞
順番に詳しく解説しますね。
副詞とは、名詞以外の語句(動詞・形容詞・形容動詞など)を修飾する語です。
- 更に(さらに)
- 時々(ときどき)
- 既に(すでに)
- 是非(ぜひ)
- 何故(なぜ)
- 多分(たぶん) など
例文
接続詞は、文と文や語と語をつなげる語です。
- 及び(および)
- 従って(したがって)
- 又は(または)
- 尚(なお) など
例文
形式名詞や補助動詞は、その言葉自体がメインとなる意味を持っているわけではありません。
- ~する事(こと)
- ~する時(とき)
- ~する度(たび) など
- ~して行く(いく)
- ~して置く(おく)
- ~して頂く(いただく)
- ~して下さい(ください) など
例文
副助詞は、すぐ隣の語に意味を添えたり、量を表したりする語です。
- 位(くらい)
- 程(ほど)
- 迄(まで)
- 等(など) など
例文
以上5種類がひらく漢字です。
うーん、こんなにたくさん覚えられるか自信がないです
大丈夫です!覚えるコツがあるんです♪
漢字をひらくかどうか、解決するコツをご紹介します。
漢字の持つ意味を考える
漢字は、ひとつひとつが意味を持っている語です。
文章にするときも同じ。
漢字の意味を考えながら書くと、ひらくかどうかがわかります。
ありがちなNG例
- 良く起こっている出来事 ←「頻繁に」という意味であり、良い悪いという意味ではない
- ~と言われています ← 「~とされています」と同義である ※実際に口で言っている場合はOK
- 大変素晴らしい ← 「とても・非常に」という意味であり、大変なのか素晴らしいのかわからない
- ~して行きます ← 実際にある場所へ向かっているわけではない ※~をしてから行く、という場合はOK
- 中には~ ← 実際に中に入っているわけではない ※中に入っているものを説明する場合はOK
漢字をひらくだけでわかりやすい文章になるので、ぜひ実践してみてください。
考え方の目安にしてくださいね♪
さまざまな文章をチェックする癖をつける
ここまで読んでいただけたのなら、あとはひたすら文章の観察あるのみ!
今はSNSなどで他者の文章が気軽に閲覧できる時代です。
- 誤字・脱字はないか
- 主語・述語・修飾語の位置
- 漢字のとじひらき
ときには正しくない文章に触れることも、あなた自身の文章力アップにつながります。
私もSNTで添削者として活動するようになってから、より自分の成長を感じられるようになりました。
音声配信チャンネルで添削者としてのメリットを話した回があります↓
また、ブログ記事ではPREP法にそって書かれているかどうかに着目して見てみましょう。
よく読まれているブログ記事を観察してみるとPREP法が使われている場合が多いんです!
詳しいPREP法については、以下の記事がオススメです。
こちらの記事でPREP法について詳しく解説しています。
ブログ記事に必要なPREP法とは?初心者こそ使うべき理由とメリット教えます!例文あり
読み手のことを考えた伝わる文章を書こう【まとめ】
今回は、分かりにくい文章になる原因をお伝えしました。
分かりやすい文章を書くために、今日からすぐに実践できる方法を6つご紹介しています。
- 文章の見た目を整える
- 内容を理解したうえで文章を書く
- 文章校正ツールで間違いをチェックする
- 本を読んで文章力をアップする
- 漢字のとじ・ひらきを意識して文章を書く
- 他者の文章を観察する
少し気をつけるだけで、グンと分かりやすい文章に変わりますよ。
あなたも「文章が上手い人」と言われるようになりましょう!
ご自分のできそうなものからチャレンジしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。